こんにちは!
駅前筋肉留学GO 統括マネージャーの増田 勇次です。
私たちの体の中でエネルギーを生み出す「ミトコンドリア」は、日々の健康管理や免疫力維持と大きく関わっているといわれます。
今回は著者:安保徹さんの著書「免疫力はミトコンドリアであげる 人はなぜ病気になるのか」の内容をもとに研究と合わせてみて整理した内容です。
本書では、ストレスや生活習慣がミトコンドリアの働きに影響を及ぼし、がんや生活習慣病などのリスクに関わることが解説されています。一方、近年の研究でも、ストレス・食事・温熱などと免疫・代謝の関係を示すデータが増えています。
ここでは、その両方の視点を踏まえながら、「ミトコンドリアを意識した健康づくり」を考えてみましょう。
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1. がんと“ワールブルク効果”:解糖系重視の代謝
本書の要点
•がん細胞は酸素のある環境でも解糖系を活性化する「ワールブルク効果」を利用し、ミトコンドリアの働きが抑えられた状態に近い。
•この現象を“先祖返り”として捉え、人間の体の中で分裂をコントロールできなくなる要因と見ています。
最新研究(メタアナリシス・システマティックレビュー等)でも
•ワールブルク効果はがん代謝の代表的な特徴として多くの研究が認めていますが、近年はがんが“解糖系だけ”でなく、他のエネルギー経路(脂質代謝やグルタミン代謝など)も柔軟に使う可能性が報告されています。
•したがって、「解糖系への偏り」自体は重要なポイントだが、多角的な視点も必要とされています。
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2. ストレスと自律神経のバランス:免疫力の大切なカギ
本書の要点
•ストレスによって交感神経が過度に優位になると、低酸素・低体温・高血糖などにつながり、がんや生活習慣病リスクを高める恐れがある。
•逆に、体をリラックスさせて副交感神経を適度に働かせ、免疫力を保つことが大切。
最新研究から見ても
•多くのシステマティックレビューが、慢性的なストレスは血圧や血糖、ホルモンバランスを乱すという点を指摘しています。
•これが長期的には生活習慣病や免疫機能低下を促進する可能性があり、ストレスを軽減し自律神経を整えることの意義が示されています。
ポイント
•「ストレスケアをする」「交感神経ばかりに偏らない」生き方の提案は、現在も広く支持される考え方です。
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3. 体を温め、小食を意識し、ミトコンドリアを元気にする
本書の要点
•ミトコンドリアを正常に働かせるには、体を冷やさない工夫や摂り過ぎない食生活が効果的。
•温熱(体温をしっかり維持)や節度あるカロリー摂取は、解糖系ばかりに偏らない体づくりに役立つ。
広い研究動向でも
•温熱療法は、がんの補助治療として放射線などと併用されることで効果を高める可能性が指摘されています(複数のメタアナリシスで一定の成果)。
•カロリー制限や適度な断食が、慢性炎症を抑えたり、代謝バランスを整えたりするデータもあります。
•しかし、実際に実践する際は、年齢・体質・既往症などを踏まえて行うことが大切とされています。
ポイント
•過度なダイエットや断食はかえって体調を崩すリスクもあるため、本書で提唱されている「小食や温める習慣」は、無理のない範囲で継続しやすい形で取り入れるのが理想的です。
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4. 塩分、降圧剤などへの見方
本書の要点
•塩分を極端に制限したり、すぐに薬に頼ることよりも、まずは生活習慣の改善が大切。
•交感神経と副交感神経の調和が血圧を左右することもある。
研究でも
•塩分過剰は高血圧の要因になりやすい一方で、極端な減塩が向かない人もいるというメタ分析が報告されています。
•降圧剤は、大規模臨床試験やメタアナリシスで心血管リスク低減に貢献するとされているため、必要とされる方は専門医の判断が重視されます。
ポイント
•まずは生活習慣の立て直しが基本という点は多くのガイドラインとも共通していますが、一人ひとりの状況に応じて柔軟に考えるのが望ましいでしょう。
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5. 駅前筋肉留学GOが大切にする考え方
私たち駅前筋肉留学GOでは、「応援と習慣が、あなたの毎日をアップデートする場所」というコンセプトのもと、トレーニングや栄養指導だけでなく、生活全体をどう改善していくかを一緒に考えています。本書が提示する「ミトコンドリアを元気にする」や「ストレスを減らす」アプローチは、運動の世界にもとても役立つ発想です。
•適度な運動で血流を促進し、体を冷やさない
•食べ過ぎない意識で解糖系の過剰な活性を避ける
•ストレスとの付き合い方を工夫し、自律神経バランスを整える
これらは私たちが日ごろからお伝えしているポイントともマッチします。大切なのは、一度に完璧にしようとせず、自分の体質やペースに合わせて少しずつ習慣化することです。
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参考にした主なリンク・研究・書籍
1.がん代謝(ワールブルク効果)
•Pavlova NN, Thompson CB. The Emerging Hallmarks of Cancer Metabolism. Cell Metab. 2016.
2.ストレスとがん・生活習慣病
3.温熱療法(Hyperthermia)の意義
4.塩分摂取と血圧
5.降圧剤の効果
6.著書「免疫力はミトコンドリアであげる 人はなぜ病気になるのか」著者:安保 徹
これらの文献からも、ミトコンドリアをはじめとする代謝の視点、ストレス・栄養・温熱などとの関係は、現在も大いに注目されているテーマです。研究は日進月歩ですので、定期的に新しい情報を確認しながら、自分自身の健康に活かしていくことが大切です。
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おわりに
安保 徹 先生の著書には、健康や免疫力を考えるうえで有益なヒントが数多く示されています。実際、ミトコンドリアやストレスマネジメントは、多くの研究が重視している視点でもあり、日々の生活習慣を改善するうえで非常に参考になるでしょう。
ただし、実践にあたっては、個々の体質や既往症を考慮し、必要があれば医療機関や専門家のアドバイスを併用することが大切です。駅前筋肉留学GOでは、トレーニング指導のみならず、食事・休養・ストレス管理のサポートにも力を入れていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
みなさんの毎日の習慣をアップデートするお手伝いを、私たちが全力で行います。
一緒に体を動かし、温め、自律神経バランスとミトコンドリアを整え、元気な毎日を目指しましょう!
※本記事は安保 徹 先生の理論と、医学研究の概観を示すものであり、特定の治療法を断定するものではありません。具体的な治療方針や薬の使用については、必ず専門医にご相談ください。