こんにちは、駅前筋肉留学GO 統括マネージャーの増田です。
みなさんは、日常生活の中で「特に意識もせず繰り返している行動」がどのくらいあるか、ご存じでしょうか? ある研究では、私たちの行動の約40%が“無意識の習慣だといわれています(*1,2)。
今回は、「習慣」に焦点を当てていきます。
前回は「行動」の壁についてお話ししましたが、習慣化がうまくいけば、行動に対する“頑張り”や“意思の力”を最小限にして、健康的な生活を手に入れられるかもしれません。逆に、悪い習慣が身についていると、気づかないうちにどんどん不健康になっていくことも…。
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1.無意識にやっている「毎日の行動」を見直す
1-1.歯磨きは努力の産物ではない?
みなさんは、歯磨きをするのに「努力」しているでしょうか? ほとんどの方は、そんな感覚を持たないと思います。これは、一度習慣になると“自動運転”で行動できるようになるからです。
「健康になる技術大全」著者の林 英恵さんも、子どもの頃は歯磨きが大嫌いで、親と追いかけっこを繰り返していたそうですが、小学生になる頃にはやらないと気持ち悪いと感じるようになった――この時点で歯磨きは「努力しなくても自然にできる習慣」になっていたのです。
1-2.1日の行動の約40%が無意識
研究によれば、私たちの行動の約40%が無意識に行われ、ほぼ決まった場所やタイミングで繰り返されていると示唆されています(*1,2)。
•歯磨き
•入浴
•鍵を置く場所
•通勤電車でスマホを見る
•食事の後でお菓子をつまむ
•寝る前にストレッチ or スマホゲーム…
こういった習慣が健康に良いものなら“ラッキー”ですが、もし悪いものなら、「やめたい」と思っても無意識なので対処が難しいのです。
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2.「習慣は実は一番楽な方法」である理由
2-1.いったん身につけば“自動的”にできる
習慣の最大のメリットは、「一度身につけば、考えなくても勝手にやり続けられる」点です。忙しい日常では、いちいち行動を判断している暇がありません。
•歯磨きをいちいち「今日も頑張ろう!」と意気込まなくてもやる
•通勤経路を頭で思い浮かべなくても、自然に体が動く
つまり、習慣化に成功すると、あれこれ悩まず自動で行動できるようになる。ここが大きな魅力です。
2-2.2ヶ月ちょっと(平均66日)かかるという研究
「習慣は21日で身につく」という説を耳にした方もいるかもしれません。
しかし、著者が紹介しているイギリスの研究では、新しい習慣が身につくまでに平均66日かかったとの結果があります(*6)。
•もっとも早い人で18日、かかる人は254日…と個人差が大きい
•半分くらいの人は最後まで遂行できない
つまり、「2ヶ月ちょっと(66日)くらいは頑張って続ける必要がある」という視点で、最初から気長に構えることがポイントです。
また、途中で1回くらい休んでも致命的ではありませんが、それが1週間以上続くと、習慣づくりが難しくなるという指摘もあります(*6,7,11)。
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3.習慣化の4つのステージ
著者によると、習慣化には以下の4ステージがあるとされます(*7):
1.決意(明確な意図を形成する)
2.行動(決意を実行に移す)
3.行動の繰り返し(同じ行動を続ける)
4.習慣の形成(自動的に行えるレベルになる)
・決意だけではダメ(1→2の壁:やろうと思っても行動できない人が多い)
・行動を始めても続かない(2→3の壁:3日坊主・途中で挫折)
・繰り返しが不十分だと習慣化しない(3→4の壁:ある程度自動化されるまで結構な日数が必要)
ここを乗り越えて4の段階に到達すれば、歯磨きのように“やらない方が落ち着かない”状態になるわけです。
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4.新しい習慣を身につける実践的コツ
4-1.今の生活に組み込む(状況の安定性)
「習慣とは、ある状況で何度も行われることで自動化される行動パターン」と定義されます(*7)。
•「いつも帰宅したら、すぐ着替えてウォーキングに出る」
•「朝のコーヒーを沸かしている間に腕立て伏せを10回する」
時間を目安にするよりも、すでにある行動(食器洗い、帰宅など)にくっつける方が状況が安定しやすい。
動線上に必要な道具をセットしておき、スムーズに行動できるよう工夫するとさらに効果的です(*7,26,27,31,32)。
4-2.やめたい習慣を“合図ごと”避ける
逆にやめたい習慣がある場合は、その行動が発動しやすい状況や合図(コンビニの前を通る、灰皿やライターが目に入る等)を断ち切る戦略が重要です(*1,37,38)。
•お菓子をやめたいなら、そもそも買わない・家に置かない
•喫煙者仲間と一緒の時だけ吸ってしまうなら、禁煙席や禁煙の店を選ぶ
環境そのものを変えられるとベストですが、それが難しいときは合図(環境の一部)を遠ざける工夫を考えましょう。
4-3.“~しない”より“~する”に置き換える
「~しない」ではなく「代わりに○○する」と考えた方が、やめたい行動への執着を減らせるそうです(*7,39,56)。
•「お菓子を食べない」→「小腹が空いたらフルーツを食べる」
•「寝る前にスマホを見ない」→「寝る前は本を読む」
4-4.IF-THENルール&コーピングプラン
・IF-THENルール(実行意図)
「もし○○な状況になったら、△△をする」と具体的に決めておく。
たとえば、「もし飲み会に誘われたら、禁煙の店を選ぶ」「もしファミレスに行ったら、野菜たっぷりメニューを頼む」といった行動計画(*7,95)。
・コーピングプラン(難しい局面を乗り切る計画)
特に人づき合いで飲酒・喫煙を勧められそうな場合などに有効。
「もし○○されたら、私は△△と返事をする」と決めておく(*94,98)。
4-5.セルフモニタリング(記録)とポジティブな仕掛け
行動を記録し、進捗を振り返ることで、成果を自覚しやすくなります(*7,106,107)。
さらに、ポジティブな感情を得られるような工夫(SNSで仲間と励まし合う、わかりやすいご褒美を設定するなど)も行動継続に役立ちます(*75,83,108)。
ただし、「運動したからお酒をたくさん飲んでもOK」というようなモラルライセンシングには注意が必要です。
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5.「習慣づくりが難しい理由」を知れば、気が楽になる
・平均2ヶ月ちょっとはかかる(早くても18日、遅い人は254日)
・最初が肝心だが、途中で数日休んでもやり直しは可能
・やろうと決意しても続かない壁があるのは普通(行動の半分は遂行失敗の報告も)
・習慣化は「状況」×「繰り返し」で加速する
何か新しい行動を身につけようとしたとき、すぐに「3日坊主で終わった…」「自分は意志が弱い…」と落ち込みがちですが、実際は誰もが失敗する可能性が高いのです。人はそれほど理性的でもなく、環境やストレスに左右されやすい生きもの。それを踏まえて試行錯誤することが大切です。
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6.駅前筋肉留学GO流「習慣サポート」
駅前筋肉留学GOでは、「運動を習慣にする」ことが何より大切だと考えています。短期間で無理するとリバウンドや怪我をし、結局続かない――そうならないために、無理のない範囲でコツコツ続ける仕組みをサポートします。
1.最初が肝心
・週1から始めたい方は週1プランへ。無理なく筋トレやウォーキングを日常に取り入れられるようプログラム作成やアドバイスをします。
2.動線づくりと前向きになれるポジティブトレーナー
・自宅でも続けられる簡単なエクササイズや、ジムへ来やすい環境を整えるアドバイス。
トレーナーがどんな時も笑顔でポジティブなフィードバックも行います!
3.記録・フィードバックで自己肯定感アップ
・Inbody測定やトレーナーがカルテでトレーニング内容を記録しています。
微妙な変化も可視化し、習慣化のモチベーションにつなげます。
4.やめたい習慣→代替行動を提案
・「飲み会後についカラオケで夜更かしをしがち」
「コンビニでお菓子を買ってしまう」など、
一人ひとりの生活パターンを聞き取り、否定ではなく、必ず受け止めより良くなるための代替行動のプランを一緒に考えます。
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7.まとめ:習慣化が成功すれば「努力しない健康」が手に入る
・行動の約40%は無意識の習慣といわれるほど、習慣には大きな影響力がある。
・一度いい習慣が身につけば、歯磨きのように自動運転で続けられ、逆にやめると違和感を覚えるレベルまで落とし込める。
・習慣づくりには“2ヶ月ちょっと”が目安。時間がかかるし失敗も多いが、ポイントを押さえれば成功確率は高まる。
・初期に集中して繰り返す、もし休んでも早めに立て直す、やめたい行動には「合図」から避けるアプローチが重要。
健康的な習慣が身につけば、あなたの毎日は努力や我慢ではなく、
「自然体で健康になれる」日々に変わるかもしれません。
駅前筋肉留学GOとしては、ぜひ多くの方にこの“習慣の力”を体感していただきたいと思っています。
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参考文献・引用
•(*1,*2,*6,*7,…)など本文中で紹介された研究データは原書でご確認ください。
(2025年1月5日 駅前筋肉留学GO 統括マネージャー 増田勇次)
•前回ブログ: 健康的な行動ができなくても、あなたがダメなわけじゃない