こんにちは、駅前筋肉留学GO 統括マネージャー 増田勇次です。
筋トレをする際に「週2~3回がベスト」と聞いたことはありませんか?
一方で「毎日やったら効果が上がるのか、それとも逆効果なのか」など、悩む人も多いようです。
今回は、石井直方 著「筋生理学で読みとくトレーニングの科学」chapter7の知見をもとに、トレーニング頻度にまつわる議論をまとめてみます。
本記事は同書の章内容を要約・再構成しており、著者の文章をそのまま大量に転載する形ではありません。細部の正確さは必ず原著をご参照ください。
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1. なぜ「週2~3回」が“標準”なのか?──超回復という便利な概念
「週2~3回が適切」という定説には、いわゆる“超回復”モデルが背景にあります。
•トレーニングによる疲労 → 回復 → 以前のレベルを“少し超える”超回復 → 次の刺激
•このサイクルを適切に回すために、週2~3回という余裕が必要、とよく説明されます。
しかし、超回復はあくまでも“概念”であり、実際に「どのタイミングでどのくらい超回復が起きているか」を厳密に測定するのは困難です。
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2. 高強度・特殊なトレーニングなら回復に時間がかかる
2-1.強い伸張性(エキセントリック)の場合
例えば、
高強度のエキセントリック種目では筋に微小損傷が起き、翌日~2日後に筋力が60%程度まで下がり、10日ほどかけて回復することも。
こうした場合は、週1回でも多いくらいというケースすらあり得ます。
2-2.通常のアイソトニックでは翌日にはほぼ回復
一方、80%1RM×8回×3セット程度の“通常負荷”なら、セッション直後に筋力は70%まで下がるものの、1時間後には90%台に回復することが一般的。
翌日にはほぼ完全復活という人も多いようです。
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3. 「容量」と「頻度」はセットで考えないと混乱する
週1回 vs. 週6回で同じメニューを行うと、1週間あたりの合計トレーニング量(容量)が6倍差になります。
その結果、週6回の方が効果が大きいとしても、それが“頻度が高いから”なのか“総容量が増えたから”なのかが分かりません。
•容量を同じにして頻度だけ変える研究は一部行われているが、結論としては「筋力増強に週2回が最適そう」という結果が出ることもあれば、そうでない場合もある。
まだ完全には解明されていないのが現状です。
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4. 動物実験の示唆:72時間間隔が最適?
石井直方さんの研究グループがマウスで行った実験では、セッション間隔を8h・24h・72hにしたところ、
•72時間(3日おき) → 筋タンパク質合成が最も高く、長期的な筋肥大効果も最大
•8時間 → むしろ筋萎縮を招いた
もちろん、マウスと人間では異なる部分もありますが、高強度なら48~72時間開けるのが良いのでは?という見解につながります。
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5. 研究は増えているがまだ不確定。週2~3回が“無難”とも
近年、ヒトを対象にした研究が増え、週4~5回という高頻度を推すものもあれば、週2回程度が最適とするものもある。
特に容量をどうするかが研究の解釈を難しくしています。
•高齢者・女性は1セッション当たりの負荷を減らし、週4~5回行うほうが続けやすいとの報告も。
•筋肥大に限ると週1回でも週3回でも週6回でも有意差なし、という実験結果も。
最終的に、「一律に◯回がベスト」と言い切れないというのが現段階の結論です。
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まとめ:やはり「週2~3回が標準だけど、柔軟に考えてOK」
•超回復のモデルはわかりやすいが、現実の測定は困難
•強度や種目によって回復日数が全然違う
•研究でも「容量」と「頻度」の切り分けが難しく、現状まだ決め手なし
•少なくとも、高強度で“バッチリ”追い込むなら、48~72時間程度の間隔を空けるのが無難そう
駅前筋肉留学GOとしての提案
週2~3回ペースがいちばんと感じる方が多いですが、短時間の軽負荷セッションなら週4〜5回に分割しても良いですし、回復が遅れがちなら週1回でも「質を高めたトレーニング」を行う選択肢があるということ。自分の体調・回復具合をよく観察し、継続しやすいプランを組むのが大切です。
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著作権に関する注意
•本記事は「筋生理学で読みとくトレーニングの科学」(石井 直方 著)のchapter7を参考に、駅前筋肉留学GO 統括マネージャー 増田が自らの言葉で要約・再構成しました。
•研究内容の詳細や正確な表現は原著や関連論文をご確認ください。問題がある場合は速やかにご連絡をお願いいたします。
今後も、駅前筋肉留学GOでは、最新の筋生理学・トレーニング科学を踏まえつつ、お客様それぞれの目標やライフスタイルに合ったパーソナルプランを提案しています。ぜひご相談ください!